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しいたけ

シイタケ栽培の巡回指導を行う

2014/05/22

 5月、今金ではあちこちで畑が動きだし、元気な土の香りが漂っています。
 今日5月13日は、1回目のしいたけ栽培の巡回指導の日です。今金には3軒の”しいたけ職人”のほ場があり、順次、巡回して菌のまわり具合を確認して指導します。それぞれ進み具合に多少の差がありますが、いずれも例年並みの状況のようです。
 さて、ハウスのなかでは、すでに順調に菌もうが出てきています。仮伏せが順調に進み、本伏せの時を迎えている証しです。普通、植菌してからおよそ2ヵ月で白い菌が原木を覆います。仮伏せ、本伏せの工程は「伏せこみ」と呼ばれ、仮伏せは植菌して菌を木に移す期間です。普通、およそ2ヵ月で白い菌が原木を覆います。本伏せとは、菌を木に浸透させる期間です。その間、原木の入れ替え作業を繰り返し、木が平均的に熟成して栄養を取りやすくしてやるのです。この作業をおよそ4ヵ月繰り返します。

 今金でいちばん古くからしいたけ栽培を行なっている“しいたけ職人”。40年の栽培歴があり、「食べて安心、美味しいきのこ」への思いと、原木栽培にこだわりを持っています。「原木栽培のしいたけは日持ちがします。そのうえ美味しくて安全です。はじめた頃は春秋2回の収穫でしたが、夏にできる品種が現れてから1年間栽培をしようと思いました」とのこと。
 “しいたけ職人”は、ハウス内の温度を22℃から23℃に保ちます。雑菌が活動しない適温。しいたけ栽培は、なんといっても温度と湿度の管理が重要です。いかに良い環境で栄養成分や菌を廻すか。3月に入ったらハウスにネットを掛け、陽をよけて適切な温度と湿度を保ちます。

 
 「今まで試行錯誤して勉強し、殻にはまらない広い視野で情報を収集することが大事と学びました。この40年間、仲間との失敗話ばかり、日々、勉強の毎日でした。」
最後に「1日の仕事が終ったら、必ず、考える時間を作ることが大切」とベテランの職人は締めくくってくれました。
 どこも高齢化で、手間のかかるナラの木を切る人が少なくなり、原木の入りが悪くなった。最近の”しいたけ職人”の悩みだそうです。

 
 
 
 
 

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“こだわりのしいたけ”をつくる!今金の原木栽培

2014/04/17

 道端に雪が残っている3月下旬、今金にもようやく春の目覚めの季節が訪れていました。長い冬が過ぎ、たっぷりと雪の下で眠っていた畑からは「おはよう!」という声がきこえています。

 一方、ハウスの中ではしいたけの植菌作業の終盤をむかえていました。
一本一本の原木においしいしいたけができるようにと願いを込めながら、ナラの木に穴をあけ、しいたけの種菌を植えていく地道な作業がつづいています。
 だいたい90cm位のナラの木1本に、6列の穴あけ機で穴をあけていきます。その次に、あけた穴にしいたけの種菌をつめていく作業があります。菌を植え付けたあと、その穴に“ろう”をぬります。ろうをぬることで雑菌が入らないようになり、また、乾燥を防ぎます。
 

 今金のしいたけ職人は最も野生に近い栽培方法の原木栽培でしいたけを作っています。肥料・農薬ゼロです!天然のしいたけにもっとも近い味をもとめて原木栽培にこだわって育てています。<※しいたけの栽培には2通りの方法があります。原木栽培と菌床栽培です。菌床栽培はおがくずなどを使って育てる方法です。(まいたけや、えのきだけ、しめじなどは菌床栽培されています。)>

 今金のしいたけ栽培は、40年くらいの歴史があります。今回お話を伺ったしいたけ振興会の会長さんのところでは、ようやく10年がたちました。「試行錯誤の10年だった」と、しいたけ職人は振り返ります。最初にナラの木からしいたけが顔をだした時の感動、また他の畑作業の忙しさで、始めたころは収穫のタイミングをのがし、いっきに取れすぎて困ったこと、その当時を懐かしそうに話してくれました。
 

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