ぴりか物語
2012年 ぴりか物語 10月”今金男しゃく 旅立ちのとき”
2012/10/15
今までになく長い夏が終わり、透き通った空気の中、鳥のさえずりが心なしか冷たく響いています。秋が今金の里に訪れていました。
あちらこちらで、土けむりの中ハーベスター、トラクター、トラックなどそれぞれの作物を収穫する音が響き、作業をする職人たちには、みなぎる力と活気が溢れていました。一年間、気温・雨・風など自然とうまくつきあいつつも、雨に神経をすり減らし、晴れが続きすぎて干ばつに悩みながらも、今年もようやく最終到達地点にたどりついたのです。今年の男しゃくは粒もそろって申し分ない今金男しゃくとなりました。
選果場へ収穫した男しゃくたちが運ばれてきました。最後まで気をゆるしてはいけません。選果場ではよりよい品質の男しゃくを出荷するため、人の目での検査からはじまり、空洞があるかないか、自動的にサイズの振り分けなど機械を使っての検査選別をし、そこからまた、さらに鋭い人の目を使っての厳しいチェックをする大事な場所です。ここで、粒がそろった品質も申し分ない今金男しゃくが箱に詰められていきます。
2012年 ぴりか物語 9月”ほっこり新じゃが 稔りの秋”
2012/09/19
9月、今金の里に秋がきていました。鳥のさえずりをバックに、あちらこちらでトンボがふわふわと舞いを披露しています。
を見た男しゃく職人もまた、今年の男しゃくに負けない力強さに輝いていました。
●今金では、ハーベスターでの収穫のどの時点で芋に衝撃が加わって傷がつきやすいか、ショックボール(芋のように丸いボールで半分紫色になったボール)を使ってデータをとり、堀り方の指導をしています。
●一番下の写真の様子は、収穫のそれぞれの時点での芋の流れから芋が受ける衝撃をデータにとって、その場で解析し、芋の衝撃を最低限になるようにハーベスターの速度を調節するなど堀り方の指導をしています。 |
2012年 ぴりか物語 7月”ふんわかうす紫色 今金の夏”
2012/07/12
ジー ジッジィー ジー チュンチュン♪♪ 虫の声と鳥のさえずりの演奏会。心地よい音色が響きわたり、太陽の光がきらきらと降り注ぐ夏が今金の里におとずれていました。
一方、種芋を作っている職人はさらに神経をすりへらしていました。「種芋をつくるには、本当に神経をつかうもんだ」。男しゃくの茎、葉などその微妙な変化を見つけ出し、適切に対処して健康な芋を育てていかなくてはいけない。そんな男しゃく職人のするどい目がこれからも“今金男しゃく”を守っていくのです。相変わらずしっかりした太い茎とりっぱな葉っぱを右ひだりにいっぱい広げて、ますますたくましくなっていた今金男しゃく。その畑にうす紫色の華麗な花があちらこちらからぽんぽんと顔をだしていました。「私を見て!」「花の命は短いの。」うす紫色にお化粧した今金男しゃくの花のささやきが、あちこちから聞こえてきています。たくましく、がっしりした男しゃく芋からは想像もできないような愛らしい花をみせていました。1か月前にはまだ、ほんの子供だった今金男しゃくも立派な大人に成長したのです。
そんな中、「昨年は雨が多くて困り、今年は雨がなく大変だ」と今金男しゃく職人が困り顔です。男しゃく芋は気温と湿度の微妙な違いで病気がでたり成長に影響してくるのです。去年は雨ばかりで、今年は雨がなく、同じ条件で育てられないところに毎年毎年、自然との闘いがまっています。
わたしたち人間も、乾燥が続くとお肌がカサカサしてきますが、芋も同じで、芋の肌がわるくなる」と男しゃく職人。今のところ今金男しゃくたちは一生懸命に夜露で耐え忍んでいます。
お花の一生です。
2012年 ぴりか物語 6月”今金の風の秘密!”
2012/06/11
ぴーっー ちゅんちゅん
さーっ さわさわー
ぽかぽかの日差しの中、鳥のさえずりと、風の音,
今金男しゃくが左に右に体を踊らせています
今金男しゃくたちが芽を出し、葉を広げる季節になりました。男しゃく職人は、芽が出たところにまた、土をもって成長する部屋をつくってあげていました。
一方、早出しの芋はもう太陽に向かって葉をいっぱい
ひろげて
います。
今金男しゃくは、成長になくてはならない風の恵みを一身に受けてとってもたくましくなっていました。
茎もしっかりして太く、葉の色もこ〜い緑です。
見るからに活きがいい「男爵」の姿をしています。
今金は太平洋と日本海の風がぶつかり合う里です。
風のない日がないのです。
この風が今金男しゃくの今金男しゃくであることの、大事な秘密の一つだったのです。
そうすると、収穫した芋もまた、ひ弱になってしまうのです。
風と気温という自然の贈り物に感謝する男しゃく職人が畑にいました・・・・。
ご存じでしたか?じゃがいもの赤ちゃんです。
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2012年 ぴりか物語 5月”里帰りの時がやってきました!”
2012/05/09
今金に春の風がふきました。
「ただいま」「おかえりなさい」
待ちに待った里帰りの時です。
“男しゃく職人”が丹精込めて整えた畑の土のしとねに、冬の間じっくり休み、十分に日光浴をして糖分を蓄えた今金の男しゃくがお帰りです。土と空気がほどよく混ざり合ってふわっとしたやわらかい土の中で、のびのび根を張り立派な芽を出す時をまっています。「今年もたくさんの花を咲かせ、まるまるに肥った元気な男しゃくいもになるぞ」と意気揚々です。
やっと、ふる里に帰ってきた男しゃくですが、安心はしていられません。いつも天気は気まぐれです。5月に入り長雨と、その上、例年に比べ風もありません。じめじめして水はけも悪く、地温が上がりません。芽がちゃんと出るか初期生育が心配です。お天気だけは男しゃく職人たちにもどうしようもありません。平常心で畑を見守る。また、それも男しゃく職人の技のみせどころでもあるのです。